2014年04月20日

第6回:番外編「月曜から夜ふかし」 エレクトーンVSピアノ!?

毎週月曜夜に日テレで放送されているバラエティ番組、「月曜から夜ふかし」。
この番組はもともと凄く好きで、見られない日は録画するほどである。
その中でも、3/31放送分は非常に興味深かった。
なんと、久々の(?)エレクトーンの地上波登場である。

コーナー名は「ブームが去ったものを調査した件」。
これに登場したラインナップが、「エリマキトカゲ」「エレクトーン」「原稿用紙」「100円おみくじ機」であった。
小学校低学年の運動会で「エリマキトカゲ音頭」を踊り、当時家族でデパートに買い物に行けば、昼に入るレストランのテーブルで必ず100円の星占い機を目にし、小中高と読書感想文コンクールの常連だったおかげで原稿用紙には何百枚とお世話になった自分からすると
このエントリーは懐かしくもあり、切なくもある。

考えてみれば、私が子供の頃には、毎週日曜の朝にテレビ朝日で「ヤマハジュニアオリジナルコンサート(JOC)」が放送されていたし、これまた小中高の音楽室には必ずエレクトーンが置いてあった(もちろんレバー式)。NHK教育テレビをつければ、後ろでエレクトーンを弾くお姉さんの姿が目に入る。
一般人がエレクトーンを目にする機会が多かったことを思うと、
今、エレクトーンがこのラインナップに加えられてしまうのも已む無し、というところであろうか。

以下はコーナーの概要。

・1959年に発売されたエレクトーンは累計480万台販売されている。
・80年代にブームとなり、一時はピアノの人口を超えたこともある。

ブームになった背景として
・未来的で夢を持たせる楽器であったのでは?
・脳の活性化ができることで習わせる親が多かったのではないか。
・ピアノより鍵盤が軽く子供でも弾きやすい。
と理由を探る。

ところが、現在の売り上げ台数は全盛期の1/10(財団法人ヤマハ音楽振興会 広報室調べ)
ここから「なぜエレクトーンブームが去ったのか」というテーマをもとに
エレクトーンVSピアノ、という流れとなる。
ピアノは女性の先生、そしてエレクトーンは、エレクトーンプレイヤーの鷹野雅史氏により
双方の主張が対決、展開される。

ピアノの先生の主張は、
・鍵盤の軽さが原因のひとつ。その後ピアノを弾くと重く感じる。
・習わせるならピアノという考え方もあったのでは?
・右と左を起用に動かすピアノの奏法はエレクトーンだと物足りない。
・ピアノはクラシックだけでなく、ポピュラーもなんでも弾ける。ピアノで弾くと何でも素敵。

これに対し、エレクトーンの鷹野さんは
・鍵盤の軽さが直接の原因ではなく、習い事が多様化したからだと思う。
・右と左だけでなくプラス足なので、面白みが増す。
と返す。
そして最後に「ではエレクトーンの今をお見せしましょう」と
鷹野さんによる「パイレーツ・オブ・カリビアン」のSTAGEA演奏をバックに
「エレクトーン再ブーム到来の日も近いかもしれない」というナレーションで締める、といったものであった。

バラエティとしては、非常に面白い作りになっていて、私も笑いながら見てしまったが、
リアルタイムのツイッター上では、エレクトーン側の「悲しい」という声が多数あったのも事実。

ちなみに"習い事が多様化したから"というのは、我がコムコムミュージックスクールの社長も
よく口にしている。
これは本当にその通りで、例えば、少なくとも私が小学生の頃の習い事といえば
ピアノ、そろばん、書道、エレクトーンが四天王状態であった。
しかし今はどれも数ある選択肢の一つに過ぎない。

ピアノにはピアノの、エレクトーンにはエレクトーンの良さがある。
それはけして対立するものではなく、共存するもの。
多様化に通じることでもあるが、世の中にはピアノやエレクトーン以外にも無数の楽器がある。
自分を一番表現できるものに出会えたなら、それは凄く幸せなことなのだ。
多分私は、それがエレクトーンだった、それだけのことだ。

全盛期より人口が激減しているとはいえ、まだまだ習う人が多いのもエレクトーン。
つい先日も、エレクトーンSTAGEA新シリーズの「ELS-02」が発売されたばかり。
そして、どんな形であれ久々にエレクトーンが地上波に登場し、その「今」を多くの人に見せることができた。
これを機に、エレクトーンに興味を持ってくれる人が増えてくれることを祈りつつ
チック・コリアのピアノの音色に耳を傾け微睡む休日である。

チック・コリア・ソロ Vol.1チック・コリア・ソロ Vol.1
チック・コリア

by G-Tools


Pirates of the Caribbean (Original Soundtrack)パイレーツ・オブ・カリビアン(オリジナルサウンドトラック)
Original Soundtrack

by G-Tools


posted by sumi at 16:18| Comment(0) | 音楽日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月06日

第5回:ミュージカル「WICKED」

ミュージカルWICKED。
「オズの魔法使い」の裏話、また後日談として、
悪い魔女・エルファバと良い魔女・グリンダの友情を描いている作品である。
「雪とアナの女王」で「Let It Go」を歌うイディナ・メンゼルは
このWICKEDでトニー賞を受賞している。
日本では現在劇団四季で上演されているので、機会があれば観に行かれることをおすすめしたいが、
なかなか劇場は敷居が高い、という方は
まずはブロードウェイ版・四季版のそれぞれのサントラを聴いてはいかがだろうか。
次々と繰り出される美しいメロディとコード進行の魔法に触れてみて損はない。

物語は、オズの魔法使いを知らなくても楽しめるとは思うが
ブリキ男、カカシ、猿、またドロシーや臆病なライオンなど、あの世界のキャラクターが次々出てくるので
やっぱり知っていたほうが楽しめる。
…日本でWICKEDがいまいち根付かなかったのは、
オズの魔法使いを知らない人が多いから説があったが本当だろうか?

誰からも愛されたけれど、唯一自分が愛した人には愛されなかったグリンダと、
誰からも愛されなかったけれど、唯一自分が愛した人に愛されたエルファバ。
いったいどちらがが幸せなんだろう。
いったい何が悪で何が善なのか。
日本では劇団四季が上演しており、私も日本初演は数回観に行った。
(何を隠そう濱田&沼尾コンビファンであった。)
2回目以降の観劇で、プロローグの「Good News」を聴き、その真の意味に気づいた時。
初見ではその曲の美しさやアンサンブルのパワーで泣かされたこの曲の歌詞の本当の意味に気づいた時、涙が止まらなくなった。

このミュージカルが素晴らしいのは、練られた脚本に加え
スティーブン・シュワルツの音楽によるところが何よりも大きいのだが
(これは前回書いた通り)
しかし今回は音楽ではなく、前回予告した通り、日米の反応の違いについて触れてみる。

物語序盤、緑色の肌の女の子(エルファバ)が誕生するシーン。
日本の反応は---少なくとも、私が四季を観に行った数回に関していえば、
"とんでもない悲劇が起きてしまった"と観客の空気は静まるのだ。
深刻な事態が起きてしまったと受け止める。シリアスだ。

ところが。
以前、ブロードウェイ版の同シーンの観客の反応を見たときに驚いた。
なんと、緑色の女の子が誕生した瞬間、観客は大爆笑に包まれたのである。
実はこの作品、いわゆる肌の色の差別問題も裏に隠されているわけで
そこから来る反応の違い?
日本で、あのシーンで笑いが起きたら、きっと白い目で見られるだろうし
私にはまったく理解できない感覚。
どちらが良い悪いではなく、きっとこれが文化と思想の違いなのだろうと、
非常に興味深く感じた出来事であった。

日本での初演でエルファバを演じたのは、すでに四季を退団された濱田めぐみさん。
彼女の歌声もまた素晴らしく…
できれば「Let It Go」の濱田めぐみ版を聴いてみたいと思う今日この頃である。

WickedWicked
Stephen Schwartz

by G-Tools


ミュージカル「ウィキッド」劇団四季版ミュージカル「ウィキッド」劇団四季版
劇団四季

by G-Tools
posted by sumi at 18:19| Comment(0) | 音楽日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。